2011年5月25日水曜日

閉塞感

ここ数年はほとんど音楽を聴く気が起きず、CDも一年に数枚から数十枚くらいしか購入していなかったのですが、ここ1ヶ月くらいで既に20枚ほどCDを購入しました。ただ昔に比べて雑誌を読まなくなったので、新しいバンドやアーティストではなく、過去の作品が多くなりがちです。

久しぶりにタワーレコードにいって試聴しまくってきました。
やはり予備知識無しの衝動買いは新鮮でいいですね。
 そんな中良い感じだったのがBenny Singsの"ART"とVery Truly Yoursの"things you used to say"です。どちらも全く知らなかったのですが、過去の作品も気になるところです。
しかし昔に比べて興味の幅が狭くなっていることは否めません。 ジャンルが偏ってきたので新しいところへ斬り込んでいきたいのですが、なかなか見つかりません。

そんなわけでBenny Singsの"ART"からの1st singleらしい"Big Brown Eyes"を貼りつけておきます。CDバージョンと曲が全然違うような気がしますが…


試聴したものの、スルーしてしまったのがSTARFUCKERの"Repitalians"ですが、PVを見たら凄くよかったのでチェックしなければ。さすがのPolyvinylクオリティーです。

しかしPolyvinylのHPを見たところ、Starfuckerといい、Asobi Seksuといい、名前がどうにかならんのでしょうか。後者は日本デビュー出来るのか。


また、いつものようにQ and not Uの解散後の動向を調べてみたところ、John DavisがLaura Burhennという人とGeorgie Jamesというデュオを組んでアルバムを作成していたようです。こちらも既に解散済みで、Davisはtitle tracksというバンドを組み、Laura BurhennはMynabirdsというソロプロジェクトで作品を出しているようです。しかしこのGeorgie Jamesのアルバム"Places"が非常に良いアルバムなので、PVを貼りつけておきます。
曲は3曲目の"Need your Needs"です。Q and not Uの面影が残るポップな名曲だと思います。まあ、Q and not Uっぽいのはこの曲だけですが。


Q and not Uもついでに。


dischordつながりでfaraquetやmedicationsもよさげなので今度購入しよっと。

2011年5月22日日曜日

ルベーグ積分のお勉強2

ルベーグ積分の勉強をしばらく放棄してしまっていたのですが、最近またやる気が出てきたので集中的にやっております。

多くの教科書で $\overline{\mathbb{R}}=\mathbb{R}\cup\{\pm \infty\}$ に値を取る可測関数を扱っていて、可測関数の和や積が可測関数であることを証明する命題などがあるのですが、それらの中で $0\cdot \infty =0$ を採用して話を単純化するものが多いようです。

自分としては最初に伊藤清三氏の本を読んだため、この規約を採用したくない気分でいっぱいです。$0\cdot \infty$ の演算は主に次のような場面で現れます。

(1) 積測度
$(X, \mathscr{M}, \mu)$, $(Y, \mathscr{N}, \nu)$ を測度空間とし、$E\in \mathscr{M}$, $F\in \mathscr{N}$ をそれぞれ $\mu(E)=0$, $\nu(F)=\infty$ なる集合とするとき、$X\times Y$上の測度 $\pi$ の持つ性質として $\pi(E\times F)=\mu(E)\times \nu(F)=0$ となるべきというもの。

これは至極もっともな要請で、そうでなければいけないということが確信出来ます。

(2) 関数値の積
$(X, \mathscr{M})$ を可測空間とし、$f, g$ を $\mathscr{M}$ 可測関数とするとき、ある$x\in X$ に対して $f(x)=0$, $g(x)=\infty$ となった場合の $f(x)g(x)$ の値。

最初はこの状況を正当化する理由がよくわからなかったのですが、積分を定義する際に可測関数は単関数で近似するため、上のような $x\in X$ に対して $f_n(x)=0$, $g_n(x)=2^n$ なる値を取る関数列の極限として考えれば、$f(x)g(x):= \lim\limits_{n\to \infty} f_n(x)g_n(x) =0$ とすることで正当化出来そうです。
また柴田氏の教科書では、$X$ の部分集合 $A\in \mathscr{M}$ 上での $f$ の積分を考えるときに、$A$ の定義関数 $\chi_A(x)$ を使って $\int_X \chi_A f\, d\mu =\int_A f\, d\mu$ と定義してあるので、関数値の$0\cdot \infty =0$を避けることが出来ません。

(3) スカラー倍と積分の順序交換
可測関数 $f$ の積分が発散する場合、つまり $\int_X f\, d\mu =\infty$ であるとき、$c\int_X f\, d\mu = \int_X cf\, d\mu$ が $c=0$ に対しても成り立つべきか。

個人的にはこれが正当化される理由がイマイチよくわかりません。測度空間 $(X, \mathscr{M}, \mu)$ を $\sigma$有限とし、$\{X_k\}_{k\in \mathbb{N}}$ を $\mathscr{M}$ の集合列で $\mu(X_k)<\infty$ $(k\in \mathbb{N})$ なるものとするとき、$\int_X f\, d\mu =\lim\limits_{k\to \infty} \int_{X_k} f\, d\mu$ と定義することで正当化出来そうな気はしますが、それだと $f$ や $\{X_k\}$ の選び方にも依存しそうな気がしたり、そもそもルベーグ積分を広義積分のように定義すべきなのかという点も疑問です。

(3) を正当化出来る理由がすっきりするとよいのですが、ここでの$0\cdot \infty$ は個人的に避けたい気分です。柴田良弘氏の「ルベーグ積分論」では積測度の構成において積分の結果を使っており、その中で(3)の形の計算を使っています。かと言ってこれを避けると、伊藤清三氏の教科書にある長々とした積測度の議論を行う必要があり悩ましいところです。

2011年5月21日土曜日

MathJaxで数式を表示(ブラウザがIEの方は要注意)

MathJaxを使えば、LaTeX のコマンドで数式を記述すると、その HTML ファイルをブラウザで見たときに LaTeX のコマンドで書かれた部分が自動的にきれいな数式に置き換わるのだそうです。そこで黒木玄さんのMathJaXの使い方 を参考に導入してみました。

ブログのサーバにMathJaXがインストールされていなくても、MathJaXのサーバを介して数式を変換してくれるサービスがあるそうで、それを利用している模様です。ブラウザはFirefoxやGoogle Chromeならば問題ないそうです。FirefoxはChromeに比べて表示速度が少し遅いように感じます。

ブラウザにIEを使っていると表示に異常に時間がかかるそうなのでご注意ください。

テストを兼ねて、しょうもない命題の証明を一つ載せておきます。
伊藤清三氏の「ルベーグ積分入門」P.14, 15の$\mathfrak{I}_N$-集合関数 $\mu$ がwell-definedであることの証明で$E\in \mathfrak{I}_N$ を細分割するところの論法と、p.57 の補助定理1で同じく$K\in \mathfrak{F}$ を細分割して
\begin{equation}
\begin{cases}
K=(E_1\times F_1)+\dotsb +(E_n \times F_n), \\
j\neq k \,\text{ ならば }\, E_j\cap E_k =\emptyset
\end{cases}
\end{equation} となるように取れるということの証明に使われている論法が、以前から直感的過ぎると感じていて釈然としていなかったのですが、ここに示す命題の結果を使えば多少明解になるのではないかと思います。同じところで気持ちの悪さを感じていた人がいるかもしれないので載せておきます。


$X$ を一般の集合とする.$X$ の部分集合 $E$ に対して次の記号を導入する.即ち,$E^1 =E$, $E^{-1}=E^c$と定義し,$E^\alpha$ で $\alpha=1, -1$ に対してそれぞれ $E$, $E^c$ を表すものとする.また,有限個の $X$ の部分集合 $E_1, \dots , E_N$ に対して多重指数 $\alpha:=(\alpha_1, \alpha_2, \dots , \alpha_N)$ $(\alpha_k=\pm1;\ k=1,\dots, N)$ を定義し,$\alpha$ が $N$ 成分から成るときには $|\alpha|=N$ と表す.この多重指数 $\alpha$ を用いて $X$ の部分集合 $E^\alpha$ を
\begin{equation}
E^\alpha :=E^{\alpha_1}_1 \cap E^{\alpha_2}_2 \cap \dotsb \cap E^{\alpha_N}_N
\end{equation} の形をした集合として定義する.例えば,$|\alpha|=3$, $\alpha=(\alpha_1, \alpha_2, \alpha_3)=(1, 1, -1)$ の場合には $E^\alpha=E_1^1 \cap E_2^1 \cap E^{-1}_3 = E_1\cap E_2\cap E_3^c$ を表す.また多重指数の全ての成分が $-1$ であるとき,$\alpha=-1$ と定義する.つまり $(-1,-1, \dots, -1):=-1$ と表記する.すると $\alpha =-1$ の場合は $E^{-1}=E_1^c \cap E^c_2\cap \dots \cap E^c_N
=\big(\bigcup_{i=1}^N E_i\big)^c$ なる集合を表す.

さらに, $\alpha=(\alpha_1, \dots , \alpha_N), \beta=(\beta_1 ,\dots , \beta_M)$ を2つの多重指数とするとき,$\alpha=\beta$ はその全ての成分が等しいことと定義する.即ち,$\alpha =\beta$ ならば,$|\alpha|=N=M=|\beta|$ であり,$\alpha_k =\beta_k$ $(k=1,\dots, N)$ が成り立つとする.これは,$\alpha\neq \beta$ ならば $|\alpha|\neq |\beta|$ であるか,もしくは $\alpha_k \neq \beta_k$ なる $k$ が少なくとも1つ存在することを意味する.

このとき次の命題が成り立つ.

命題   $X$ を集合とし,$E_1, \dots , E_N$ を $X$ の部分集合とする.
$E^\alpha =E^{\alpha_1}_1 \cap E^{\alpha_2}_2 \cap \dotsb \cap E^{\alpha_N}_N$ の形をした集合は,2つの多重指数 $\alpha, \beta$ $(|\alpha|=|\beta|=N)$ に対して,$\alpha \neq \beta$ ならば $E^\alpha\cap E^\beta=\emptyset$ であり,
\begin{equation}
{\textstyle\bigcup\limits_{\substack{\alpha\neq -1\\ |\alpha|=N}}}E^\alpha
={\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N}E_i
\end{equation} が成り立つ.但し左辺は $\alpha\neq -1$ かつ $|\alpha|=N$ であるような多重指数 $\alpha$ 全体に関しての和集合である.

証明   $N$ に関する帰納法で証明する.まず $N=2$ とする.このとき件の集合は
\begin{equation}
E^{(1, 1)}=E_1\cap E_2, \quad E^{(1, -1)}=E_1\cap E^c_2, \quad
E^{(-1, 1)}=E_1^c \cap E_2
\end{equation} の3種類である.このとき,$\alpha\neq \beta$ ならば明らかに $E^\alpha\cap E^\beta=\emptyset$ が成り立っている.さらに $A\cap(B\cup C)=(A\cap B)\cup (A\cap C)$ などから,
\begin{align}
& E^{(1, 1)}\cup E^{(1, -1)}\cup E^{(-1, 1)}\\
&= (E_1\cap E_2)\cup(E_1\cap E^c_2)\cup (E_1^c \cap E_2)\\
&=[E_1\cap(E_2\cup E_2^c)]\cup(E_1^c \cap E_2)
=E_1 \cup(E_1^c \cap E_2)\\
&=(E_1\cup E_1^c)\cap (E_1 \cup E_2)\\
&=E_1\cup E_2
\end{align} となり,命題が成り立つ.

次に $N$ の場合に命題が成り立つと仮定し,$N+1$ の場合を証明する.$E_1,\dots , E_{N+1}$ を $X$ の部分集合とする.$\alpha^\prime, \beta^\prime$ は $|\alpha^\prime|=|\beta^\prime|=N+1$ なる多重指数とし,$E^{\alpha^\prime}$ は
\begin{equation}
E^{\alpha^\prime}=E_1^{\alpha^\prime_1}\cap E_2^{\alpha^\prime_2}\cap
\dotsb \cap E_{N+1}^{\alpha^\prime_{N+1}}
\end{equation} なる形の集合とする.まず $\alpha^\prime \neq \beta^\prime$ ならば,$\alpha^\prime_k \neq \beta^\prime_k$ なる $k$ ($k=1,\dots, N+1$) が少なくとも1つ存在し,$\alpha_k^\prime$, $\beta^\prime_k$ は互いに逆符号の値を取るため
$E_k^{\alpha^\prime_k}\cap E_k^{\beta^\prime_k}
=E_k\cap E_k^c =\emptyset$ である.従って
\begin{align}
& E^{\alpha^\prime}\cap E^{\beta^\prime}\\
&=E_1^{\alpha^\prime_1}\cap \dotsb \cap E^{\alpha^\prime_k}_k\cap
\dotsb \cap E_{N+1}^{\alpha^\prime_{N+1}}
\cap E_1^{\beta^\prime_1}\cap \dotsb \cap E^{\beta^\prime_k}_k\cap
\dotsb \cap E_{N+1}^{\beta^\prime_{N+1}}\\
&=\emptyset
\end{align} となる.また,$\alpha^\prime \neq -1$ なる多重指数 $\alpha^\prime$ に対し $E^{\alpha^\prime}$ は
\begin{equation}
E^{\alpha^\prime}=
\begin{cases}
E^\alpha \cap E_{N+1} &(|\alpha|=N,\ \alpha\neq -1)\\
E^\alpha \cap E^c_{N+1}&(|\alpha|=N,\ \alpha\neq -1)\\
\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N} E_i\bigg)^{\!\!c} \cap E_{N+1}
\end{cases}
\end{equation} のいずれかの形に表せる.従って,帰納法の仮定より
\begin{align}
{\textstyle\bigcup\limits_{\substack{\alpha^\prime\neq -1\\
|\alpha^\prime|=N+1}}}E^{\alpha^\prime}
&= \Bigg({\textstyle\bigcup\limits_{\substack{\alpha\neq -1\\ |\alpha|=N}}}
(E^\alpha\cap E_{N+1})\cup(E^\alpha\cap E_{N+1}^c)\Bigg)
\cup \bigg[\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N} E_i\bigg)^{\!\!c} \cap E_{N+1}\bigg]\\
&=\Bigg({\textstyle\bigcup\limits_{\substack{\alpha\neq -1\\ |\alpha|=N}}}
E^\alpha\cap (E_{N+1}\cup E_{N+1}^c)\Bigg)
\cup \bigg[\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N} E_i\bigg)^{\!\!c}
\cap E_{N+1}\bigg]\\
&=\Bigg({\textstyle\bigcup\limits_{\substack{\alpha\neq -1\\ |\alpha|=N}}}
E^\alpha\Bigg)
\cup \bigg[\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N} E_i\bigg)^{\!\!c}
\cap E_{N+1}\bigg]\\
&=\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N}E_i\bigg)
\cup \bigg[\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N} E_i\bigg)^{\!\!c}
\cap E_{N+1}\bigg]\\
&=\bigg[\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N}E_i\bigg)\cup
\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N} E_i\bigg)^{\!\!c} \bigg]
\cap\bigg[
\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N} E_i\bigg)\cap E_{N+1}\bigg]\\
&=
\bigg({\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^N} E_i\bigg)\cap E_{N+1}
={\textstyle\bigcup\limits_{i=1}^{N+1}} E_i
\end{align} となり,$N+1$ の場合にも命題を満たす.以上で任意の自然数 $N$ に対して命題が成り立つことが示された.$\square$


数式上で右クリックすると、LaTeXソースを表示出来るので、数式のコピー&ペーストが容易に行えるのも特徴のようです。醜いソースを書かないように心がける必要も出てきそうです。

ルベーグ積分論のお勉強

 柴田良弘氏著の「ルベーグ積分論」を使ってルベーグ積分の勉強をしています。
この本の第1章でリーマン積分の復習を足早に行っていますが、リーマン可積分の必要十分条件を述べる段階で通常の微積分の本には載っているであろうDarbouxの定理が独立した定理として扱われていません。この本の定理1.6.3は

(1) 関数 $f(x)$ は区間 $[a, b]$ 上でリーマン可積分である。

(2) $\displaystyle \sup_{\mathit{\Delta}}\, s_{\mathit{\Delta}} =\inf_{\mathit{\Delta}} \, S_{\mathit{\Delta}}$

(3)任意の $\epsilon >0$ に対して $S_{\mathit{\Delta}} -s_{\mathit{\Delta}} < \epsilon$ を満足する $[a, b]$ の分割 $\mathit{\Delta}$ が存在する。


という3条件が同値であることを述べた定理ですが、(3)から(1)を証明する部分が間違っていると思われます。ここがDarbouxの定理に相当する内容なのですが、この本の証明では、(3)の条件を使って $S_{\mathit{\Delta}_1} - s_{\mathit{\Delta}_1} <\epsilon$ を満たす分割 $\mathit{\Delta}_1$ を固定した後、(1)を証明するために必要な正数 $\delta$ を定義してあるのに、いつの間にか分割 $\mathit{\Delta}_1$ の幅 $\lvert \mathit{\Delta}_{1} \rvert =\max\limits_i \lvert x_i -x_{i-1}\rvert$ が $\delta$ よりも小さいということを使って議論を進めてしまっています。(3)の条件は分割の存在について言及しているだけで、分割の幅の大きさについては何ら言及していないので、この証明は使えないと思われます。そういう訳で、通常通りDarbouxの定理を用いて(2)から(1)を証明するほうがよいのではないでしょうか。
 また区間とリーマン積分の値に同じ記号 $I$ を使っているのも気にかかります。

2011年5月12日木曜日

maritime 新譜の日本版は5/25発売

表題通り、maritimeの新譜"Human Hearts"の日本版がcontraredeから発売される模様です。もうちょっと早く出しておくれよ。輸入買ってしまったよ。名作なので聴くべし。
contraredeは小林英樹氏と54-71のメンバーが立ち上げたレーベルらしいです。全然知らなかった。小林氏の名前はライナーノーツでよく拝見していたのですが、レコード屋の店長だったということも初めて知りました。